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執筆者の写真Kamida Mutsumi

「なっちゃった」工作と「こうしたい」工作

更新日:2021年2月5日



いつも

「どうしてあんな風に出来ないんだろう?」

「どうやったらああなるんだろう?」・・・と、

出来上がった自分の工作に満足出来ない日々。



けれど大人は、

「よく出来てるじゃない。」「頑張ったね。」と

褒めてくれます。



自分自身が親になった今、私も子供の作品を褒めます。

人の絵ならば、「ココが似てるね」「動いてるのがよくわかるよ」

「表情がいいね」などなど、良いトコロはいくらでも見つかります。


でも当時の私と同じならば子供は、

「でも私の思い浮かんでいたのとは違う、

もっとアーでコーで、格好の良いものにしたかった。」

と大人の言葉をそのままには受けとりません。



アーでコー出来るようになるには、

手指で鉛筆や筆、ハサミやカッターが器用に使えるようになる事、

目が物の形や特徴を捉えられるようになる事、

それを頭でイメージ出来るようになる事などが必要です。

そして全ては成長しないと手に入らないものばかり。


ただし、練習を重ねること、ヒントをもらうことで時間を縮めることが可能です。


そして、もう一つ。

大事なのは、作り出す前に少しだけ考えて思い浮かんだことを絵にすること。

そうスケッチにすることです。


教室では先ず、その時のテーマ(手法や題材)について、

“おもいつく言葉”集めをします。



子供からは色んな言葉が出てきます。

みんなが「そうそう」「わかるー」となるものもありますし、

「なんで?」「変なのー」などと他の子には伝わらないこともありますが、

「それなら、私は!僕は!」と

自分だけの「イイこと」を見つけだして行きます。


その「イイこと」をスケッチにしておきます。

スケッチは上手に描く必要はありません、

何を?どんな形?何色?模様は?など

せっかく思いついた「イイこと」を忘れないためのメモ替わりです。


直感だけで思いついた「イイこと」は

時間が立ってしまうと、

「どうしてだっけな?」

「どんなだったかな?」とボヤけて行ってしまい、

「イイこと」に向かっていく気持ちより、

手元の作業や道具に気をとられ、やり易い方、できる方へ流されて行ってしまいます。


そうやって出来たのが、「なっちゃった」工作です。

時には、新種のイキモノが生まれたり、

見せた相手によって新たなイセキを発見される事もあるでしょう。


大人達はそんな偶然の中にも、

その子の楽しんでいた姿や思いのままできるようになった事自体に

成長を見出して嬉しいものなのです。


でも当の本人は納得いっていないわけです。

なぜなら、思い浮かんだ「イイこと」は、

もっとキラキラ、ピカピカしていて、

とっておきだったはずなんですから。

そんな時、 “おもいつく言葉”集めは「イイこと」の理由(ワケ)をつないでくれますし、

スケッチは思い浮かんだ姿をボヤけさせず、 作業や道具で脱線してしまっても、 「ここだけは肝心だった」と元の場所に戻る地図になってくれます。

想像していたアーでコーには届かなかったかもしれませんが、 どう難しいのか、確かな手ごたえは残っているはずです。

何より、「イイこと」がどんなに「イイ」のか

キラキラ、ピカピカした姿を現していることでしょう。

それが「こうなった」工作なのです。

地図をたどるのは遠回りだったり、険しかったりしたはずです。

それを超えてゴールした証の作品なら、

大人の褒め言葉は何よりも嬉しく、誇らしく感じられるでしょうね。

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